Standard
スタンダードとは「犬種標準」とも言い、
その犬種のあるべき理想的な姿について定義した繁殖の指針となるべき文章のことです。
牧羊犬、猟犬や警察犬などの使役、あるいは愛らしい容姿の追求……
人間の様々な目的に応じて繁殖改良された純血種の犬たちは、
その共通の祖先である野生のイヌの姿から考えると驚くほどのバラエティーに富んでいます。
それらのバラエティーを維持するためにスタンダードは書かれ、
これに沿った計画的な繁殖が継続されてきたことによっていまの犬たちの姿があります。
シェルティーももちろん例外ではありません。
ここではジャパンケネルクラブにおけるシェルティーのスタンダードについてご紹介していきます。
シェットランド・シープドッグ Shetland Sheepdog
FCI スタンダード No.88
■原産地
イギリス
■用途
牧羊犬
■FCI分類
グループ1 シープドッグ&キャトルドッグ(スイス・キャトル・ドッグを除く)
セクション1 シープドッグ
■沿革
イギリス最北端にあるシェットランド諸島原産の牧羊犬である。その歴史はきわめて古く、スコットランドの牧羊犬の歴史に匹敵するものと思われる。一説によるとスコットランドのボーダー・コリーの先祖でこの地にきて小型の家畜の番犬をしていた犬と、クジラ漁のため北海へ来た漁師が連れていたサモエドなどのスピッツ・タイプの犬の混血に、さらにラフ・コリーが配されて作出されたと伝えられている。荒涼とした島なので動物も植物も通常の大きさにならないのがこの島の特徴で、長い年月の間に小型化したというように考えられる。19世紀の終わりごろイギリスに紹介された。1909年に登録が認められるようになったが、当時は作業犬タイプとショータイプの二通りの犬がいて、大きさなども一定していなかった。体高について厳しいのはそういう背景があったためである。
■一般外貌
小型で長毛の優美な牧羊犬であり、粗雑さや荒々しさはない。アウトラインは均整がとれており、全体の調和がとれていない部分はない。豊かな被毛、メーン、フリル、均整のとれた頭部、及び優しい表情が理想にかなったシェットランド・シープドッグとなる。
■特徴
機敏でやさしく、知的で力強く、活動的である。
■性格
飼い主に対しては愛情深く良く反応を示し、見知らぬ人に対しては打ち解けにくいが、神経質ではない。
■頭部及びスカル(ヘッド&スカル)
頭部は洗練されている。上望及び側望すると先が鈍角の楔形をし、耳から鼻にかけて細くなっている。スカルの幅はスカルの長さ及びマズルとつりあいがとれている。全体として犬のサイズと関連させ考慮しなければならない。スカルは平らで耳の間は適度な幅で、オクシパットの隆起は見られない。頬は平らで、十分に丸みを帯びたマズルへ滑らかに溶け込んでいる。スカルとマズルは等しい長さで、その境は両目の内側にある。スカルのトップラインとマズルのトップラインは平行で、ストップはわずかではあるが明瞭である。鼻、唇、目ぶちは黒い。特徴的な表情は完全なバランス、及びスカル、マズル、形、色、目の付く位置、耳の正しい位置と保持によって作られる。
▼口(マウス)
顎は水平ですっきりしており、よく発達した下顎をもち力強い。唇は引き締まっている。歯は健全で、欠歯のない均整のとれた完全なシザーズ・バイトである。
▼目(アイズ)
中位の大きさで斜めに付き、アーモンド形をしている。マールの場合、片目又は両目がブルー又はブルーの斑であるが、これ以外の場合ダーク・ブラウンである。
▼耳(イヤーズ)
小さく、付け根は適度な幅で、スカルの上部に付いている。休息時には後ろへ倒れている。警戒時は前方に向けて、先端が垂れ、半立ち耳で保持される。
■頸(ネック)
筋肉がよく発達し、十分にアーチし、誇らしげに頭部を保持するのに十分な長さをもつ。
■ボディ
体高よりも体長がわずかに長い。胸は深く、肘まで達する。肋骨はよく張っているが、前足と肩を自由に動かせるように下半分は次第に狭くなっている。背は水平で、腰部にかけて優雅でゆるやかな曲線がみられ、尻は後方へ徐々に傾斜している。
■尾(テイル)
低く付く。骨は徐々に先細になり、少なくとも飛節に達する。豊富な毛で覆われ、わずかに上方へ湾曲している。動いているときには、背のラインをわずかに越えて掲げている。キンク・テイル(ねじれ尾)ではない。
■四肢(リムズ)
▼前肢(フォアクォーターズ)
肩は十分に後方へ寝ている。肩は、キ甲部では脊椎によって分れており、肩甲骨は肋骨の十分な張りを与えるため、外側へ開いている。肩関節は十分に角度をもつ。上腕と肩甲骨は長さがほぼ等しい。肘は地面及びキ甲から等距離にある。前脚は前望すると真っ直ぐで、筋骨たくましくしっかりとした骨をもちすっきりしている。パスターンは強くて柔軟である。
▼後肢(ハインドクォーターズ)
大腿は幅広く、筋肉たくましく、大腿骨と寛骨の結合角度は90°である。膝関節は明確な角度があり、ホック・ジョイント(飛節)はすっきりとし、角度があり、強い骨で十分に低くつく。中足は後望すると真っ直ぐである。
▼足(フィート)
オーバル(卵型)で足裏は十分なパッドがあり、指趾はアーチし緊握している。
■歩様(ゲイト/ムーブメント)
後肢からの推進力による、しなやかで、滑らかで優雅な歩様は、最小の労力でグランド・カバリングに富む。側対歩、プレイティング、ローリング、ぎこちない歩様、竹馬歩様、上下動のある歩様は極めて好ましくない。
■被毛(コート)
▼毛(ヘアー)
ダブルコート。上毛は長く、粗い毛質で真っ直ぐである。下毛は柔らかく、短く密生している。メーンとフリルは非常に豊かであり、前肢は十分な飾り毛で覆われている。飛節の上の後肢は豊かな毛で覆われており、中足はかなり短毛である。顔も短毛である。
▼毛色(カラー)
セーブル:
クリアなものかあるいはシェードのあるもの。色は薄いゴールドカら濃いマホガニーまでで、色調は鮮やかである。ウルフセーブルやグレーは好ましくない。
トライカラー:
ボディはブラックで、濃いタン・マーキングが好ましい。
ブルーマール:
きれいなシルバー・ブルーで、大理石のようにブラックが散らばっている。濃いタン・マーキングが好ましいが、なくても欠点とはみなされない。大きなブラックの斑やあせた色が見られるのは極めて好ましくない。全体的な色調はブルーである。
ブラック&ホワイト/ブラック&タン:
これらも認められた毛色である。
以上の毛色は、ブラック&タンのものを除き、ブレーズ、カラー、胸、フリル、脚、尾先にホワイト・マーキングが見られる。これらの部分の全て、あるいはいくつかの部分にホワイト・マーキングが見られるのが好ましいが、なくても欠点とはみなされない。
いかなる毛色においても、ボディの白い斑は極めて好ましくない。
■サイズ
理想体高 牡:37cm 牝:35.5cm
33cm未満、上限40.5cmを越えるものは極めて好ましくない。
■欠点
上記の点からのいかなる逸脱も欠点とみなされ、その欠点の重大さは逸脱の程度に比例するものとする。
- 極端な不正咬合
- 部分的又は全体的に短い毛。
- シャイ。
- 反対性相。
■失格
- 50%以上のホワイト。
- ブリンドル
- 陰睾丸。
ジャパンケネルクラブ「JKC全犬種標準書 第10版」より。
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